明治期に鉄瓶の美意識を極致へと高め、今なお不朽の名工と称される上田照房。その稀代の傑作「福龍鉄瓶」の歴史的価値を受け継ぐため、四百年の歴史を誇る伝統工芸「高岡鉄器」の名門・正晴堂が、現代の最高峰の技術をもって再現した復刻工芸品です。
本作の命とも言える龍の緻密な造形は、一つの作品に対して一つの型しか作ることができない、極めて贅沢な伝統技法「蝋型鋳造(ろうがたちゅうぞう)」によって命を吹き込まれました。重厚な銑鉄(せんてつ)のボディに躍動する龍の眼光には、高貴な輝きを放つ「金象嵌」と「銀布目象嵌」が、優美なたなびきを魅せる髭には、息をのむほど繊細な「銀線」が一本ずつ丹念に施されています。
さらに、弦(つる)に走る雲の銀象嵌、銅製の蓋や銀製の座といった異素材が織りなす色彩のコントラストは、美術品としての圧倒的な風格を漂わせます。骨董としての鑑賞に留まらず、現代の暮らしの中で「一生ものの道具」として湯垢(ゆあか)を育て、味わいを深めていく至高の贅沢。白熱する炭火のように静かに魂を揺さぶる至高の逸品が、日常の茶の湯を特別な儀式へと変えてゆきます。
※本製品は熟練の職人による手作りのため、商品ごとに若干の個体差がございます。伝統工芸品ならではの味わいとしてお楽しみください。